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①ノンブリード変成シリコンってどういう物？

まずは、ノンブリードや変成シリコンの意味、他のシーリング材との違いなどを見ていきましょう。

①-1　「ノンブリード」と「変成シリコン」の意味

コーキング材には、ブリード現象というものが付きものです。
ブリード現象とは、コーキング材に含まれる可塑剤という物質がにじみ出て外壁が黒ずんだり、ベタついたりする現象のことを言います。

ノンブリードとは、このブリード現象を抑える機能が備わったコーキング材を指します。

変成シリコンはシリコン樹脂と似たような性質を持っていますが、通常のシリコン樹脂との違いは合成された樹脂であることです。
耐久性や耐熱性、耐候性、密着性、柔軟性に優れている他、紫外線にも強いため、まさに外壁に最適なコーキング材なのです。

①-2　他のコーキング材との違い

コーキング材には変成シリコンの他に、アクリル、ウレタン、シリコン、ポリサルファイドなどがあります。

・アクリルコーキング

作業性に優れています。硬化後に肉やせが起こってしまう、耐候性と耐久性が低いというデメリットもあります。

・ウレタンコーキング

密着性や弾力性が高く、比較的安価で幅広い用途に使われます。ただし、紫外線に弱いため、表面への塗装が欠かせません。

・シリコンコーキング

耐久性が高く、寿命が長いです。屋内でも屋外でも使えますが、硬化後に表面が特殊な被膜で覆われるため表面を塗装で覆うことはできません。

・変成シリコンコーキング

耐久性、耐熱性、耐候性、密着性、柔軟性に優れており、紫外線にも強いです。シリコンとは異なり、表面に塗装を重ねられるため、塗装面とのギャップが生まれにくくなるのも変成シリコンの特徴です。価格はシリコンよりも高めです。

・ポリサルファイド

シーリング材の中でも高い耐油性があるため、配管やダクトなどに使われます。

シリコンと変成シリコンを比較すると、全体的な性能は変成シリコンの方がやや劣ります。
しかし、シリコンにはない「塗装可能」という点が決定打になり、結果としてノンブリード変成シリコンを選ぶ方は多くいます。

②　ノンブリード変成シリコンを採用するメリットは？

ここからは、ノンブリード変成シリコンを採用するとどのようなメリットが得られるのか、紹介していきます。

・美観を維持できる

ノンブリード変成シリコンは表面に塗装を重ねられるため、美観を重視される方に特におすすめです。
さらにブリード現象の発生を防止できるため、塗装後の変色やシミの心配もありません。
長期間に渡って、きれいな仕上がりが持続します。

・優れた耐候性で長寿命

耐候性に優れていることから、紫外線や雨風にさらされる屋外でも使用可能です。
寿命も8年～15年と長いため、メンテナンス頻度を抑えられます。

・様々な素材としっかり密着してくれる

様々な素材と相性がよく、しっかりと密着してくれるため、外壁だけでなく、サッシ周りや各目地などにも使われています。

また目地やサッシ周りだけでなく、多種多様な外壁材にも対応可能です。

・施工性に優れている

ノンブリード変成シリコンは一般的に扱いやすい材料として知られています。施工性に優れているため、塗装工事の際における作業効率が向上するという点もメリットとなるでしょう。

③　「ノンブリード変成シリコン」の注意点

次に、ノンブリード変成シリコンを採用する上で注意するべきポイントを紹介します。

・適切な施工環境でないと、不具合が発生しやすい

コーキング材の施工は

・気温15℃～25℃

・湿度80％未満

の時に行うのがよいとされています。この時気温や湿度が高すぎると、使用可能な時間が短くなったり発砲が生じたりします。
雨天時や気温や湿度が低すぎる場合は、硬化に時間がかかってしまう他、目地にコーキング材がしっかり密着してくれません。

適切な施工環境の下で作業を行いましょう。

・塗膜剥離が起こる可能性がある

ノンブリード変成シリコンは表面に塗料を塗装できますが、塗料との相性が悪い場合は塗膜剥離が起こる可能性も0%ではありません。

塗膜剥離を防ぐためにも、施工前に塗料との相性が良いかを確認することが大切です。

・下地処理不足が施工不良を引き起こす

ノンブリード変成シリコンは密着性に優れていますが、施工箇所に古いコーキング材のカスやホコリ、油分、水分などがある状態だと、接着が上手くいきません。
十分に清掃・乾燥させていない状態で施工してしまうと、施工不良の原因となってしまいます。
また製品によってはプライマーの使用が必要となる場合があるため、施工前に確認しておきましょう。

・他のシーリング材よりもやや割高

ノンブリード変成シリコンは他のコーキング材と比べ、やや高価です。
しかしながらバランスの取れた機能性かつ長寿命であることから、長期的なコストメリットがあると言えます。
ノンブリード変成シリコンを選択する際は、この長期的なコストメリットを理解することが大切です。

④　ノンブリード変成シリコンはどのように活用する？

ここからは、ノンブリード変成シリコンの具体的な活用術をご紹介します。

・外壁の目地を補修する

ノンブリード変成シリコンは耐久性や耐候性に優れているため、外壁の目地などの補修に最適です。劣化した目地を補修し、耐久性を向上させましょう。

その際、目地以外への付着を防ぐためにマスキングテープを貼ったり、表面をならすためのヘラを使ったりして見た目も美しく仕上げましょう。
コーキング作業は空気を入れないように手早く、なおかつ確実に行うことが大切です。

・サッシ周りのシーリングを交換する

コーキング材は窓枠の雨漏りを防ぐ役割があるため、劣化が見られたら早めに交換しましょう。交換する際は既存のコーキング材を取り外す必要がありますが、この時に力余ってシーリングの奥にある防水シートを切ってしまわないように気を付けましょう。

古くなったコーキングを取り外したら、溝をしっかりと清掃したあとに新しいコーキング材を流し込むと雨漏りを防げます。

・外壁塗装をする前の下地処理に使う

ノンブリード変成シリコンは、外壁塗装前の下地処理にも役立てられています。
例えばモルタル外壁といったクラックが発生しやすい外壁材の場合は、塗装前にクラックの処理が欠かせません。ノンブリード変成シリコンは表面に塗装ができるため、こういった下地処理にも適しているのです。

⑤　実例紹介！ノンブリード変成シリコンの施工事例